生徒を想い、死力を尽くす教師は絶滅した…
―但し、『命が係る場合』はその限りではない。
教師が生徒のために全てを賭けて向き合う
そんな熱い教育理念を持った者は最早今の時代、絶滅危惧種だ。
SNSが発達し、生徒の生活領域を把握するのは不可能となった現代。
生徒を叱ればパワハラと揶揄され、悩みを聞こうとすればモラハラと糾弾される今。
生徒に近づけと言われる方が理不尽であり、そして生徒も誰もそれを望んでもいない。
しかし、この教師は文字通り死ぬ気で生徒と向き合い、教育に励む。
イジメに遭うあの生徒を救うため、本気でイジメを根絶することに挑んだことはあるか?
未だ蔓延るスクールカーストの現況に、本気で全員が楽しめる教室を作ろうとしたことはあるか?
家庭環境や、親との軋轢に悩む生徒に、私生活で介入して改善に挑んだことはあるか?
生徒が悲しみ悩む時、生徒が怒りを抱く時、全力でその問題と向き合い、そして本気で想いを伝える。
『君たちは、納得のいかない毎日を…誰かのせいにしてはいないか?』と。
そんな今は無き教師像を体現する女教師。
なぜならその教師は、1年後の卒業式の日、
―『生徒に殺される』未来を経験したからだ。